ザ・インタープリター

2005年公開、公開から3年後シドニー・ポラック監督死去。

アフリカのマトボ共和国からアメリカへきた国連で通訳の仕事をするシルヴィア。あるとき、マトボ共和国大統領暗殺の計画を聞いてしまい事件に巻き込まれていく。

なんてむつかしい社会派ドラマと構えてみたものの、分かりやすく、そして映画としておもしろく、なにかと胸に刻まれるようないい話を聞くことができた。

社会派ドラマとしての一面(というか全面推しなんだけどね)よりも、黒幕の真相、シルヴィアの動向、ケラーの抱えているものが気になって、世界情勢をすこしくらい考えてみろよというメッセージをスルーとまでは行かなくとも、他人事として耳に入れた感が非常に強い。

見る人間の意識の問題なのかもしれないけど、もちろん映画として真面目に作っていることは確かなので、訴えかけるというか伝えたいというか、そっちに重点を置きたかったのだろうと見終わって冷静になってから考えることができたけど。

ニコール・キッドマンとショーン・ペンがイチャつくわけでもなく、むしろあのふたりの関係はお互いを前に進ませる良いコンビのようで、真剣に彼女たちへエールを送りたいと思ってしまったほど!対照的な人間同士、現実世界なんて対照的でなくてもわずかな違いで出会わなかったかのような、そんな関係になってしまうこともあるけど、なにかひとつでも共有したりするものがあると受け入れられるようになるもので。

とは言え、それを信じて裏切られることだってたくさんあるわけだけど。

不条理を受け入れると悲しみを克服、復讐すると生涯喪に服す

このことばは響いた。許すことがどれだけのことか。なんでもそうだ、受け入れたくないことばかりだ。人の生き死にという究極な話だけではなく、受け入れがたいことを受け入れられたとき、人間はレベルアップできるのかもしれない。あたしはしばらくの間レベルアップできていないことに気付いたので、つまりは喪に服していたのだとハッとした。生命の話から比べたら、あたしのしばらくレベルアップしていない話なんてティッシュくらい軽いものだけども、引きずり回して逆に思い出を輝かせていることに気付いてはいるけどやめられない、時間を止めては過去の楽しかったことが事実だったことを確かめる日々の繰り返しは、これはこれであたしにとってヘビーなもので。

不条理というとおまえの思い出には軽すぎると言われそうだけど、あたしにはなかなか重く響いたんだ。

不条理を受け入れようとする人間の多くは、きっとまっすぐの愛があるからに違いない。愛は人を生かしもするし殺しもするということはどこでも言われているけど、愛は人間をレベルアップさせることができる経験値とも言えるんだろう。ということは、やっぱり人を生かしていくためにあるわけだ。

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