スキャンダル

1976年公開、イタリアの”大人の映画”です。

薬局を経営する人妻エリアーヌが、従業員のアルマンに誘われ不倫関係に。エリアーヌはサディスティックなアルマンの奴隷となり、アルマンのエスカレートする要求に従っていく。

たぶんとてもバカです。だけど、気持ちはとても理解できるので、たぶんあたしもバカです。
当時とても話題になったと聞いて見てみたのですが、こうも共感できる映画は久し振りと思うくらい関心しました。

男性というのは、けっきょく支配したい側にいて、そう考えている男性ほどおそらく弱虫なひとなのかもしれません。対女性の話ですが、弱虫ゆえの支配欲ということです。
そして支配されるのはもちろん女性。支配されているのではやく、支配されてやっているというなら成立するでしょうが、完全に支配されてしまうと足もとは泥沼。

求められたから仕方なく応答し、こちらがしっぽ振りだすと拒否される、誘ったのはそっちなのに応えだすと煙たがられる。思うようにいかないから感情を揺さぶられ、どんどん気になっていく。嫌われれば嫌われるほど要求に応えたくなる。

男性はわざわざ先のことを考えない。考えていたらこんな情事に至る真似はしない。
その瞬間、すこし遊んでみたいとおもった勢いで、ほんの短い期間秘密の関係を楽しみ、自分本位に事が進んでいるかと思いきや、女性が本気になってきてハッとする。これ以上は無理だと。
置いてけぼりを食らった女性の虚しさは計り知れない。

そのあとはもう、じぶんと遊ぶくらいだから手のはやい男と知っているにも関わらず、嫉妬心が抑えられなくなる。

じぶんのモノではないと分かっていても、嫉妬がこみ上げてくる。
彼にもういちど振り向いてもらいたくて、どんどんドツボにハマっていく、それに比例して彼は去っていく。
ダメな女性の典型なんだろう。あたしも気持ちはよく分かる。だけど理性を捨てずに耐えている。彼からウソの愛をもらいたい願望を棄てようと耐えている。

エリアーヌのように理性を忘れると、もう果ては崩壊しかない。彼女は頭のいいひとなのに、というかそれ故なのか、理性を忘れて大事なものたちを次々に失っていった。

あーはならないようにと思うのと同時に、それだけひとが愛に飢えているということを考える。ウソの愛ですら欲しくなるんだからひどいもんだ。

楽しいこと、うれしいこと、ずっとは続かない。なぜか、完成すると壊したくなる天邪鬼だからだ。
女側としては、きっとじぶんを見ているようで悔しい気持ちになるひとも多いとおもう。バカではない女性は、こんなアルマンのようなバカにハマることはないだろうけど、実際ハマる女性は多いはず。

男性側からするとこの映画はどんな気持ちになるんだろう?アルマンをダサい男と思ってくれるかな。それなら安心だけど。
見てよかったとおもう、反面教師にしないと人生が枯れていくからきっと。

ただひとつ、さすがに娘がからむと、やり過ぎで気持ちがわるくなる。それだけ心残りです。